ハナ呼吸のススメ
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ハナ呼吸のススメ(乳幼児のママさんへ)

当院には、多くの子供さんが、風邪気味で鼻水や咳がとまらない、鼻づまりで寝づらそう、夜中に起きてしまう、といった症状で、お母さんに連れられて受診されます。中には一か月以上も症状が続いていたり、他院でお薬をもらっているが治らないといって連れてこられるお母さんもおられます。乳幼児の風邪症状(鼻水、咳、タン)に投与できる薬はそれほどバリエーションがあるわけではなく、医師や病院によって、投与する薬が全然違う、ということはありません。
耳鼻咽喉科では薬の投与に加えて、鼻水の吸引やネブライザー治療といった直接の処置により、つらい症状を緩和し、治癒に導くよう治療を行っています。

昔から「子供はカゼの子」という言葉がありますが、そもそも、なぜ小さいお子さんはすぐ風邪をひき、治りにくく、鼻水や咳・タンが長引くのでしょうか?

  • 乳児のうちから集団生活(保育園・託児所・幼稚園)をするため、カゼのうつし合いになる
  • 乳幼児のうちは免疫力が十分ではなく、大人では症状が出ないような微弱な感染や炎症でも発症する
  • もともと活発なため、風邪症状はあるが熱がないので登園する、プールに入る、半袖・半ズボンですごす、など自分の意思で十分体を休めるということができず、回復が遅れる

といった、周りの環境や抵抗力の問題が、大きな原因ですが、もうひとつ大きな原因があります。

それは・・・

乳幼児は鼻腔(空気の通り道)がせまい上に、自分でしっかり鼻をかめないので、鼻づまりが生じやすく、すぐに鼻で呼吸できなくなってしまう ということです。
大人であれば、鼻水がたまれば自分でかんで出すことができます。自分で鼻をかめないお子さんは、鼻水が出せない → たまった鼻水がノドに流れ込んでたまる → 寝るときに横になると、ノドにたまった鼻水が気管に入り込んで咳が出る(ノドに降りた自分の鼻水でむせてしまう)、というわけです。
鼻水がノドに流れ込むことを後鼻漏(こうびろう)といいますが、後鼻漏によって生じる咳は、咳止めの薬を服用して鎮めようとしてもなかなかおさまりません。もともと、後鼻漏による咳は、気管に流れ込んだ鼻水を咳によって排出しようとする体の防御本能(反射)なので、ノドに流れ込む鼻水を止めないと、咳が止まらないのです。
さらに、鼻づまりがひどくて口呼吸するようになってしまうと、ノドや気管の粘膜が乾燥して傷つき、(通常は鼻呼吸により、気管に入る前に鼻腔で加湿・加温しています)咽頭炎を発症したり、気管支炎やぜんそくが長引いたりして、この点でも咳やタンが止まらない原因となります。

なんだそんなことか、と思われるかもしれませんが、自分で鼻をかめるということは当たり前のようでいて、大変重要なことなのです。自分で鼻をかめない小さなお子さんは、自宅でお母さんが市販の鼻吸い器で吸引してあげるか、耳鼻科を受診していただき、鼻の奥まで鼻水をしっかり吸引することで、鼻呼吸が可能になって夜ぐっすり眠れるようになり、免疫力の回復を導いて、カゼをひきにくくなります。
(注:咳やタンといった症状の原因は、必ずしも鼻水のみとは限りません。38度以上の高熱やゼイゼイ・ヒューヒューといった喘鳴(息が苦しそう)を伴う場合は、小児科の受診もお勧めします)

お子さんの鼻がつまってしまって苦しそうで、咳やタンが多くて夜の安眠が確保できていないようでしたら、お気軽にお越しください。お薬は他院でもらっているけれど、処置・ネブライザー希望・・・というお子さんもどうぞ!

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